大人になっても読みたい絵本

2016年12月05日 更新

miho yamana miho yamana

大人になっても読みたい絵本

たくさんの絵本に触れる保育士のお仕事。園児に人気の絵本をたくさんご存じでしょう。そんなみなさんは、お仕事から離れた時、どのくらい「絵本」を手に取りますか?今回は、園児向けではなく「大人が楽しめる絵本」を3冊ご紹介します。

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「おおきな木」 シェル・シルヴァスタイン作・村上春樹訳

「りんごの木」と「少年」は大の仲良し。毎日一緒に遊びます。でも、時は過ぎ、少年は成長し、木から離れていきます。少年が戻ってくるたび、木は彼の望みをかなえるため、まさに「身を削って」彼に自分にあるものを与えていきます。彼を満足させること、それが木の幸せでした。そして少年は遠くへ旅立っていきます。無償の愛とは?本当の幸せとは?考えさせられる一冊です。

photo by miho yamana

原題は”The Giving Tree”、「あたえる木」です。1964年にアメリカで出版され、30カ国以上の言語に翻訳されてきました。日本でも以前からありましたが、数年前に小説家の村上春樹が訳した新訳が出版され、話題になりました。個人的な感想ですが、旧訳より村上氏の新訳のほうが、原文の雰囲気に忠実であるように感じます。
この本は主人公を「木」とも「少年」とも取ることができます。単純に読めば「木の無償の愛」と解釈できるのですが、歳を重ねりんごの木を再訪する少年の生活に、一体何が起こっているのかを想像すると、「人間の人生」を考えさせられる深い本です。園児にはまだ難しいかもしれません。まさに「大人向きの本」と言えるでしょう。

「もうぬげない」 ヨシタケシンスケ作

自分で脱げるはずだったのに、脱げなくなっちゃった。このまま脱げなかったらどうしよう?でもきっとなんとかなるよ!…だけど結局いつもお母さんのいいなりで…。
「じぶんでやる!」、そんな「幼児あるある」を面白く描いた、人気の本です。

著者は小学1年生に向けてこの本を読み聞かせしましたが、かなり生徒受けがよかったです。なによりもコミカルな絵がかわいいし、内容も分かりやすい。一方で、大人も十分楽しめる本でもあります。読み聞かせの場に同席していた、小さなお子さんを持つ先生も思わず「ぷっ」と笑ってしまうくらい。「うちの子にもある」、「こどもってこんな気持ちなんだ」と、保護者の方にも共感を得られる作品だと思います。

「どんなにきみがすきだかあててごらん」 サム・マクブラッドニィ文・アニタ・ジェラーム絵・小川仁央訳

おやすみ前の「ちびうさぎ」。「でかうさぎ」に、「どれだけ自分がでかうさぎのことがすきか」を体現します。でも、何度頑張っても、「でかうさぎ」は、「ちびうさぎ」より大きなスケールで「きみのことがすき」と表現してしまう。とうとう眠たくなって目を閉じてしまった「ちびうさぎ」。ベッドに「ちびうさぎ」を運ぶ「でかうさぎ」がささやくことばが、温かくて心にしみます。

原題は”Guess How Much I Love You”(わたしがどれだけあなたを愛しているか、当ててみて)。親子とも友達ともとれる二匹の関係が、想像力をかきたててくれます。日本人は普段、あまり誰かに「すき」・「愛してる」とストレートに伝えることはありません。この本は、好きな相手に好きと伝えることの大切さを教えてくれます。「きみがすき」・「ぼくはもっとすき」とどんどん広がっていくことばと体を使ったコミュニケーションの表現は、子供と関わる保育の仕事のヒントとなるかもしれません。大切な人への贈り物としても、ぴったりな一冊です。

自分のための大切な「絵本」

読書は人生を豊かにしてくれると頭では分かっていても、忙しいとなかなか本を読む時間は取れないものです。分厚い小説を手にして途中で挫折してしまうよりも、優良な絵本を読み切った方が有益かもしれません。
保育士のみなさんは、既にご存知の絵本ばかりだったかもしれません。しかし、この記事を読んでいただいたことを潮に、「自分のための絵本」を探していただけると幸いです。

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