子供たちとの関わり方。何が大切?『心の食物/その3』

2016年05月24日 更新

加藤彩可 加藤彩可

子供たちとの関わり方。何が大切?『心の食物/その3』

『心の食物/その1・2』では、人間にとってストロークがいかに大切か、ディスカウントが与える悪い影響を知って頂きました。今回は人間が生きるのに必要な『心の食物・ストローク』が不足すると、色々な問題行動が起きてしまうというお話です。

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問題行動

問題行動 ⇒ エスカレート

私達はストロークなしに生きて行く事が出来ないと言われていますが、プラスのストロークがもらえなくなると、最初に問題行動を起こします。そして自分から、マイナスのストロークでもいいからと、マイナスのストロークを求め始めます。

例えば子供は、正月などお客さんがたくさん来て両親が忙しくしている時に、普段しないようなことをします。お客さんがいる部屋に入りバタバタと机の周りを走ったり、お客さんに出したお菓子を食べたり、イタズラをわざとする事があります。
これは両親が来客の対応に追われて、子供の事は意識に無く、子供をかまってやらない状態です。こんな時に子供は、叱られてもいいからかまって欲しいという意思表示をしているのです。
それでもまだストロークがもらえないと、問題行動をエスカレートして、マイナスのストロークを自分で必死に求め続けることになります。

問題行動がエスカレートした実話

ストロークが不足して問題行動を起こしてしまった男の子ヨッチャンの実話があります。

もうかなり昔、東京の世田谷区にヨッチャンという小学生の男の子が住んでいました。
ヨッチャンのお父さんはとても忙しい方で、早朝に出かけ夜はヨッチャンが寝てからしか家に帰って来られず、ヨッチャンをかまってあげられませんでした。
ヨッチャンはよく一人ぼっちで遊んでいました。そして友達がお父さんと手をつないで歩いているところや、キャッチボールをしているところを見るととても羨ましくて、“自分もお父さんに甘えたい“”かまってもらいたい“と思うようになりました。
そんなある日、ヨッチャンは小型ナイフで、自分の机の上に✖印のキズをつけました。お父さんはそのキズに気づきましたが、“こんなことをするのは自分が普段かまってやれないから、叱るのはかわいそうだ”と叱りませんでした。それから1週間程たったある日、今度は同じナイフで自分の部屋のドアにもっと大きなキズ✖をつけました。そのキズを見つけたお父さんは、部屋に入り寝ているヨッチャン叩き起こして頭を殴り、何も言わずに部屋から出て行ってしまいました。
ヨッチャンはますます無視された気分になり、それから1週間くらいたったある日、今度は校庭で遊んでいる女の子の胸を刺し死亡させてしまったのです。
その後精神分析医がヨッチャンをカウンセリングしていったところ、ヨッチャンは「僕は淋しかった」「かまってほしかった」そんな事を言ったそうです。
ヨッチャンはかまってもらいたかったのです。そしてプラスのストロークが無理なら、せめてマイナスのストロークでもいいと、無意識に感じて、最初に“机に小型ナイフでキズをつける”という問題行動を起こしました。しかしお父さんはヨッチャンがかわいそうだと、叱ることをしませんでした。その時ヨッチャンは「この程度ではダメだ。今度はどんな事をやったら僕を叱ってくれるのだろう」と問題行動をエスカレートしていって、必死にマイナスのストロークを求めて、今度は“部屋のドアにもっと大きなキズ”をつけました。ヨッチャンは殴られましたが、また叱ってもらう事が出来ませんでした。ますます無視された気持ちになったヨッチャンは「これでもダメか、それではどんなことをやったら自分は叱ってもらえるのだろう」と、さらに問題行動をエスカレートさせて、とうとう女の子を刺してしまったのです。
最初にヨッチャンが机にキズをつけた時、お父さんが叱っていたらこんな事件はおこらなかったのかもしれません。

マイナスのストロークも大切なストローク

子供が悪い事をした時に、間違った事をした時に、叱る・注意するということはストロークになります。子供の成長の中で時には、マイナスのストロークも必要な場合があるという事も知っておいて下さい。

問題行動から病気になる

そしてストローク不足の状態がさらに進んでいくと、精神的にも肉体的にも変化を起こし病気になっていきます。

問題行動 ⇒ エスカレート ⇒ 病気

ストロークは神経に刺激を与えますから、ストローク不足になると脊髄が萎縮したり、手足が不自由になってしまったりする場合があります。

まとめ

『心の食物/その3』ではストロークがもらえないのが続くと、問題行動を起こしマイナスのストロークをもらいたいと思うようになり、さらにもらえないと問題行動をエスカレートして行ってしまうようになることを学びました。次回はさらに病気にまでなってしまった女の子のお話をさせて頂きます。

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