子供達との関わり方。何が大切?『人生脚本/その6』

2016年09月29日 更新

加藤彩可 加藤彩可

子供達との関わり方。何が大切?『人生脚本/その6』

第10回『人生脚本/その5』では2つのゲームを通して、自分の人とのかかわり方を体験して頂きました。



今回の第11回『人生脚本/その6』では、人には「ストロークのやりとりのクセ」があるというお話です。

保育士としてだけで無く、1人の人としてとても大切な内容となっています。これを知ることで、保育の現場で子供達に、自分がどう関わっているのかが見えて来ると思います。

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三日坊主

子供は親の言っていることより、やっていること(行動)を見て育ちます。

毎年夏、日本アルプスで行われている“母と子のワーキングキャンプ”という親子の研修の中で、ひとりの母親が「先生、うちの子はいつも三日坊主で長続きしないんですよ。どうしたら良いんでしょうか。」と先生に相談しました。
先生は子供に話を聴いてみると、子供から「だってママは最初は褒めてくれるんだけど、すぐに褒めてくれなくなってしまうんだ」という返事が返って来ました。

このように親のやっていることを見て、子供は真似をしていきます。子供の良い行いは、その都度キチンと認めて褒めてやれば、子供は三日坊主に終わらず、良い行動パターンを自分の中に身につけて行きます。

そんなストロークのやりとりのクセには5つあります。

5つのストローク

1,与えるべきストロークがあっても、それを人に与えない人

よく人を褒めるのが苦手の人がいますが、「どうも有難う」「ご苦労様」これはいちいち言わなくてもわかっているはずとか、恥ずかしくて、慣れていないから照れがあるので言えない場合があります。
このような人は、自分だけがむやみにストロークを与えるのは、バカバカしいと思ってしまうのです。あるいは幼い頃から、家庭でのストローク交換が少なく、褒められた経験があまりなく、不慣れな為に、恥ずかしさやためらいを覚えてしまうのです。

例えば男性によくあるのが、奥さんがヘアスタイルを変えたことに気づいても何も言わない人がいます。奥さんは、夫が気づいてくれる、「似合っている」ねと言ってくれる。とても嬉しいものです。口に出して褒めてあげましょう。

子供にどんどんストロークを与えましょう。 ホメ上手になりましょう。

2,欲しいストロークがあっても素直に要求しない人

”武士は食わねど高楊枝、何事も我慢が必要”という人。
一見ストロークなど無用のフリをしていますが、本当は人一倍ストロークを欲している淋しがり屋です。
このパターンに当てはまる人は、幼い頃お母さんに甘えたくとも、「もうあなたはお兄ちゃん、お姉ちゃんでしょ。」「今お母さんとても忙しいの邪魔しないで!」「ワガママ言わないで、欲しいものがあっても我慢しなさい。」などと拒否された記憶が残っている人です。
自由な行動を押さえられたり、要求してもかなえられなかった苦い経験が、ストロークを望む気持ちに、ブレーキをかけてしまうのです。

「どうせ言ってもダメだ!」などと、諦めてしまいます。頑張っているのにアピールしない人もそうです。

やせ我慢しないで、欲しいストロークは素直に要求しましょう。

3,欲しいストロークがきても、それを受け取らない人

他人にほめられ内心とても嬉しいのに、少しも嬉しそうな素振りを見せない人がいます。日本人は「謙譲の美徳」という教えを持っています。
幼い頃「人からちょっと褒められたくらいで、いい気になるな」
「お母さん私『おりこうさんね』『偉いわね』って褒められたの」「バカね、そんなのお世辞に決まってるじゃない」せっかく子供が嬉しそうに報告しているのに打ち消して、子供の存在を否定してしまっています。

「お世辞を信じてはいけない」などと言われた人や、「何てダメな奴だ」と子供が一生懸命やっていたとしても、親の基準で否定してしまう。
「こんなことも出来ないのか」などと言われた為に、自分を否定したり、過小評価する人に見られる傾向です。要は親が押さえつけて育ててきた、ディスカウントされてきた子供は、親の姿を見て、ストロークを素直に受け取らない人になります。

嬉しいストロークをもらったら、素直に受け取り、喜びましょう。

4,嬉しくないストロークがきても、それを拒否しない人

本当は欲しくないストロークなのに、せっかくだから有り難く頂いておけと、形式的に受け取ってしまう人。
その裏には拒否をすると相手を悲しませたり、相手から嫌われてしまうのではないかとの恐れが隠されているのです。
親に「人さまから頂いたものは素直に受け取りなさい」とか「せっかく服を買ってやったのに、何が気に入らないの、もう二度と買ってやらない」「お前はお母さんの気持ちがわからないの、これだけしてあげてるのに」などと、感謝を強要された人に見られる傾向です。
その為に、たとえ欲しくない場合でも、一応もらっておこうと、イヤイヤながら受け取ってしまうのです。子供は子供なりの好みがあるのに、親の好みを押し付けていませんか?親の力で押し付けていませんか?
しかし、そんな状態では、与えた方もシラケてしまう場合が多くなります。

欲しくないストロークがきたら、「私はこういう状況なんです。」「私は私なりに一生懸命やっているんです。そのことを認めてもらえないでしょうか。」と素直に気持ちを伝えて、相手の人に欲しくないストロークを丁寧に返してあげることも大切です。
相手を傷つけないように丁重にお断りすることも必要です。例えば、食事をご馳走になる時に、嫌いなものがあったら、イヤイヤ食べるのでは無く、どうしても食べられませんと言って、手をつけずに断りましょう。断られた方も、不味そうに食べられるより、はっきり言ってくれた方が気持ち良いものです。

欲しくないストロークをもらった時には、無理して受け取ることはありません。

5,自分自身にストロークを与えない人

何か事が起こると、全て自分のせいにして、自己嫌悪に陥ってしまう人です。
これでは、自分にプラスのストロークを与えることができず、ますます自分をいじめるか、やる気を無くし、無気力になってしまいます。こういう人は、幼い頃苦労している親を見て「自分だけ楽しんではいけない」「他人に迷惑をかけてはいけない」「自分のことばかり考えてはダメ。まず人さまに、家族の為に喜ばれることをしなさい」と教え込まれた経験のある人です。その結果人の期待に応えられないと感じると、自分の無力さをひたすら責めてしまうのです。自分の存在価値を認めない人です。

マイナスのストロークばかり持っていると、プラスのストロークをたくさん与えることはできません。その結果、相手からもプラスのストロークをもらうことはできません。

自分自身にしっかりプラスのストロークを与え、自分を認め、本当の意味で大切にしましょう。

今5つのストロークのやりとりのクセのお話をしてきましたが、ひとつやふたつは当てはまるものがあったのではないでしょうか。
そんなことは、いち早く打ち破っていきましょう。
ストロークは与え上手、もらい上手になりましょう。
親がそうなれば、子供も与え上手、もらい上手になります。
意識してみて下さい。少しずつでも変化していけるはずです。

まとめ

あなたは、どのストロークのやりとりのクセがありましたか?
いくつか合わせて持っている人もいます。皆それぞれクセがあります。親から受け継ぎ、またその子へと受け継いで行くのです。今気づいた時から変えて行くことはできます。

次の第12回『人生脚本/その7』では、ゲームを通して、実際にストロークを与える体験をして行きます。

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